質量保存系のミクロ相転移におけるパターン形式の問題の数学的、数値解析的研究
Project/Area Number |
07740146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大西 勇 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30262372)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ミクロ相転移現象 / Nonlocal Cahn-Hilliard方程式 / スケーリング則 / 形態形成のメカニズム / 変分法的手法 / 力学系理論的手法 |
Research Abstract |
ミクロ相転移現象は、物性物理学でも、ここ10年程の間に、活発に研究されてきた問題である。今年度の研究では、まず、この対象に、数学的モデルを与えた。相転移のカーン=ヒリア-ドの連続体モデルに、ミクロ相転移現象を現象論的に説明する、非局所項をつけ加えた。この自由エネルギーの大域最小化要素(global miuimizer)が、ミクロスケールの周期構造を持ちうることを形式的に導き、空間パターンのスケーリング則を、モデルから、厳密に導いた。そして、このスケールで、時空間をリスケーリングしたとき、2相間の界面運動を記述する運動方程式の導出に成功した。これは、ミューラン=セカ-カ方程式を少し、変形したものとなっている。この界面運動方程式に対し、粘性消滅法を用いた方法で、時間局所解を構成した。また、定常問題の解析を行ない、領域が円以外のときは、定常界面の形状も円周とならないことを証明した。これは、現象の非局所性をよく表していると考えている。この問題については、さらに研究を深めるため、数値的、理論的の両面から、計算で続行中である、とともに、Preprintを一部仕上げている。一方、globalな視点からのパターンセレクションの問題として、もとのスケールでみたNonlocal Cahn-Hilliard guationの定常問題を研究した。はじめの予想と反して、界面の厚みを0に近づけていく極限で、任意の周期構造をもつ解が安定となることが厳密に証明された。(空間-モデル)。この方向の研究も継続中である。予想を2つ得、その証明に鋭意、努力中である。ひとつは、空間一次元では、任意の長さの周期をもつ、定常解がすべて安定となるが、自由エネルギーの値が一番小さいものは、もっとも細かいfine stinctureのものであること、もうひとつは、空間多次元では、界面の厚みを0に近づける極限で、なめらかな界面をもつ定常解はすべて、不安定であろうということであり、どちらも、かなり研究が進んでおり、来年度中に発表可能であろうと思われる。また、相分離過程を目でみえるようにするべく、数値的研究にもとりかかっている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)