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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
領域分割法(偏微分方程式の解析領域を多数の部分領域に分けて並列に扱う方法)に関して以下の結果を得た。 1.場に定義される関数に関して,各部分領域からの貢献量を表わす関数と,全体領域から各部分領域への制限量を表わす関数とを区別する手法を提案した。貢献量関数同士及び制限量関数同士の加算が可能で,また,貢献量関数と制限量関数との定義域の各点での積により定義される関数は貢献量となる。この区別を数値解法の中に現われる関数に適用することにより,部分領域間の情報交換による関数値の整合化の手間が削減され,領域分割法の計算時間を短縮することができる。 2.モルタル法(領域分割法の1つの方法。部分領域間の連続性を拘束条件とするラグランジュ乗数法により問題を全体領域における1つの変分問題として定式化する。これに共役勾配法を適用すると領域分割法に帰着される)に関して,原始変数(流速と圧力)形式の方程式を扱い,流速だけにモルタル法を適用する有限要素法を提案した。時間方向に陰解法を用いれば,各時刻ステップでは一般化ストークス問題(ストークス方程式の運動方程式に質量項がついた問題)となり,部分領域の問題の粒度が増しモルタル法の長所を活かせる。空間方向には流速と圧力の混合型有限要素近似を用いればよい。 これらから,上流要素選択型近似を用いたナビエ・ストークス方程式のモルタル解法が可能であり,今後,数値実験結果を含めて,大規模計算流体力学における有限要素法第3回日米シンポジウム(4月,アメリカ),日本計算工学会(5月,東京)などで,成果の公表を行う予定である。
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