Project/Area Number |
07740165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
陳 春航 琉球大学, 教養部, 講師 (00264466)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Holt-Winters法 / 時系列 / 予測 / トレンド / 季節変動 / 頑健性 |
Research Abstract |
現実の時系列の中には、トレンドや季節変動をもつものが多い。このような時系列を予測するためには、Holt-Winters法は応用上よく用いられている。時系列は季節成分を含まずトレンドのみをもつ場合、Holt-Winters法の変種としてHolt法がある。本研究では、これらの方法の性質を、特に頑健性に重点をおいて統計学の観点から調べた。まず、ある条件を満たす一般的な確率過程の下で、これらの方法による予測の誤差を統計推測理論の立場から示した。そして、得られた理論の結果に基づいて数値計算を行い、さらに、現実の時系列データ(沖縄県人口予測など)を用いて実証研究を行った。その結果、これらの方法が広い範囲の時系列の予測に適用できるという意味で良い頑健性をもつことが示された。Holt-Winters法は一種のノンパラメトリックな手法である。この方法以外には、幾つかのパラメトリックな手法、例えば、ARIMAモデル、状態空間モデル、多項式トレンドと季節ダミ-および定常な時系列残差を仮定した回帰モデルなどを用いて予測する手法があり、理論上および応用上では重要な方法である。本研究では、シミュレーションを用いて、Holt-Winters法による予測の良さをこれらのパラメトリックな手法と比較した。その結果、通常のパラメトリックな手法と比べ、Holt-Winters法が異常値や構造変化をもつ時系列を含む広い範囲の時系列の予測に対し、良い頑健性をもつことがわかった。パラメトリックな手法に頑健性を持たせるためには、通常の統計推測理論の枠を越えて、異常値、構造変化、さらに仮定したモデルがある程度間違ったなどの可能性を想定した時系列の頑健推測理論を用いて、モデルを同定、推定することが必要とされる。しかし、時系列の頑健推測理論の研究は、殆ど行われていないようである。この問題は、パラメトリックな手法の現実への応用において極めて重要であると思われる。これからは、この問題について研究したいと思っている。
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