Project/Area Number |
07740180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
立松 健一 茨城大学, 理学部, 助手 (40202171)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | サブミリ波 / 中性炭素原子 |
Research Abstract |
中性炭素原子(CI)は宇宙空間でのガスの輻射冷却、あるいはガス中の化学反応で大きな役割を果たしていると考えられている。しかしながら、CI輝線が「最後の未開拓波長帯」と呼ばれるサブミリ波帯にあるために、その観測的研究が本格化したのは数年前に過ぎない。その後CIの観測が精力的に行なわれてきたが、現存の地上のサブミリ波望遠鏡では数分角平方のマッピング観測がせいぜいであり、分子雲(大きさが1度角のオーダー)スケールでのCIの分布を調べることは事実上不可能であった。 本研究では、過去例のない宇宙空間におけるCIの広域観測を行なうために、ハワイのカルテク・サブミリ波望遠鏡に、テキサス大学製フォーカル・リデューサを取付け、観測を行なった。また、天気の悪いときはバックアップとして、周波数の低い220GHzのCOの同位体分子の輝線を観測した。観測対象としては、強い紫外線により光解離が起こっていると考えられる「HII領域」を付随する巨大分子雲と、紫外線の弱い環境にある「暗黒星雲」を選んだ。また、データ解析専用のワークステーションを導入し処理システムを構築した。 CIデータとCO同位体分子データの比較研究の結果、以下のことがわかった。輝線強度分布、スペクトルの形状では、CO同位体分子のうち^<13>COとCIの間に最も類似性がみられた。この2輝線の光学的厚みが同程度であることを示唆していると思われる。CI強度と^<13>CO強度の比は、^<13>CO輝線強度に対して減少関数であり、定量的にも「光解離領域」のモデル計算の予想に概ね合っている。「HII領域」付近のみならず、紫外線の弱い「暗黒星雲」でも、CIの生成に紫外線がおもに効いていることが明らかになった。CIとCOの存在量比は、「HII領域」付近では0.2程度であったが、暗黒星雲では場所によっては1程度になる。
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