太陽コロナにおける爆発的エネルギー解放過程に関する統一的分岐理論
Project/Area Number |
07740188
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
草野 完也 広島大学, 理学部, 助手 (70183796)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 太陽コロナ / 太陽フレア / 太陽 / MHD / 磁気再結合 / 不安定性 |
Research Abstract |
本研究においては,太陽コロナにおける爆発的エネルギー解放過程を最小エネルギー解の分岐と遷移のダイナミクスとして統一的に理解するための理論研究を行った。特に、本年は研究実施計画に基づきTaylorの変分原理から求まる、線形無力平衡配位の安定性解析、およびそこで見い出された不安定性の非線形ダイナミクスに関する数値シミュレーションを実施した。その結果、以下の事項が明らかにされた。 1.磁気ヘリシティがrotオペレターの非結合固有値に対応する臨界ヘリシティよりも大きい場合、太陽コロナにおける線形無力配位は複数の解に分岐する。この時、エネルギーの高いブランチは抵抗性MHDモードに対して不安定である。 2.この不安定性の成長が非線形領域に達すると、磁気ループ中央に電流シートが形成され、磁気再結合を結果する。磁気再結合はテイラー状態の分岐理論が予言するように磁気ループを上下に分離する。 3.磁気再結合における電流シートの長さは幾何学的制約から磁気ループの幅程度であり、電気抵抗に寄らない。一方、その幅は電気抵抗の平方根に比例する。また、電流シート上の最大加熱率も電気抵抗に寄らない。 4.真空磁場に光球面運動によって徐々に磁気ヘリシティを注入した場合、不安定性と磁気ヘリシティ注入の競争過程として、ダイナミクスが決められる。それゆえ、磁気レイノルズ数が大きいほど大量の磁気ヘリシティ注入が行われ、その後の磁気再結合によるエネルギー解放はより爆発的に実現される。 以上の結果は、太陽フレアの爆発性を分岐解の遷移として一般的に理解する事が出来る可能性を強く示唆している。重力効果を含めた拡張された分岐理論の構築は時間的制約から将来に持ち越された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)