シンクロベータトロン共鳴を利用した三次元レーザー冷却法の検証
Project/Area Number |
07740219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 宏巳 京都大学, 化学研究所, 助手 (40211809)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | レーザー冷却 / ビーム蓄積リング / シンクロベータトロン共鳴 / クリスタルビーム / 結合空胴 |
Research Abstract |
まず、自作のシミュレーションコードを改良して、レーザー冷却過程がより現実的かつ具体的に考慮できるようにした。このコードを用いて、運動量分散による三次元レーザー冷却法および結合空胴による三次元レーサー冷却法のそれぞれを組織的に研究した。その結果、空間電荷効果が無視できる範囲内では、いずれの方法を用いても極めて効果的に三次元レーザー冷却が達成可能であることがわかった。同時に、研究代表者本人による理論的予言の妥当性も証明された。また、結合空胴を利用する冷却スキームでは、横方向運動の冷却効率を高めるために不可欠と考えられていた共鳴条件が必ずしも満足されている必要がないという可能性が示唆された。これはベータトロン振動数に対する制約を軽減する上で極めて重要な意味を持ち、今後さらに精密なシミュレーションコードによって詳細な検討を加えたいと考えている。 上述のシミュレーション研究に加え、トラッキングコード‘SIMPSONS'をレーザー冷却過程が導入できるよう改良し、実際的な数値実験も行った。このコードではビーム蓄積リングのラティスパラメータを正確に考慮することができ、より現実に即したシミュレーションを行うことが可能である。本研究では例としてデンマークのASTRIDリングの設計パラメータを用い、運動量分散による冷却スキームの妥当性を検証・確認した。 以上の結果により、結合共鳴を利用した三次元レーザー冷却法は(少なくともビーム密度がある程度小さい内は)極めて有効であり、重イオンビームの温度を今までに達成されたことのない低温領域まで下げることが十分に可能であると結論できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)