Project/Area Number |
07740236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
明楽 浩史 北海道大学, 工学部, 助教授 (20184129)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 半導体ヘテロ構造 / 2次元電子系 / ランダウ準位 / 強磁場 / 電子相関 |
Research Abstract |
2次元電子系に垂直に強い磁場を加えると、1電子準位はランダウ準位に量子化され縮重するため多電子状態では電子相関が重要になり、基底ランダウ準位では分数量子ホール効果が観測されている。本研究では、高いランダウ準位に着目し、その波動関数の形が反映された新しい多電子状態の存在を理論的に数値計算を併用して明らかにすることを目指した。具体的な状況としては半導体ヘテロ構造に形成される非対称な2重量子井戸に強い磁場を垂直に加えた系を考え、1つめの井戸の基底ランダウ準位と2つめの井戸のn番目のランダウ準位がフェルミ準位で縮重する場合について調べた。まず、2つのランダウ準位における電子の数を等しくした場合には、ランダウ準位の充填率を適当な値にすると半径の大きい軌道の中に半径の小さい軌道がスッポリおさまる電子対の状態が実現することを少数系の厳密対角化の方法で示した。また、この系の基底状態の相図を井戸間の距離、ランダウ準位の充填率、2つめの井戸のランダウ指数nの関数として求め、電子対の状態が現れる領域を明らかにした。さらに、半径の大きい軌道の電荷の符号を反転して、n番目のランダウ準位のホールと基底ランダウ準位の電子が同数である場合を考えた。1つのホールと1つの電子だけが存在する場合には、ホールの輪状の電荷密度の上に電子が乗っている状態が基底状態でありこれは電気双極子を持つので、このような電子ホール対がたくさんあるときには、一次元的にそれがつながった状態が基底状態として現れることを予想した。この場合についても少数系の厳密対角化の数値計算を行い、電子とホールの一次元鎖が基底状態となる場合があることを示した。
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