ゼオライト細孔中の環状セレンマイクロクラスラ-の光誘起構造変化
Project/Area Number |
07740249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸山 健二 新潟大学, 理学部, 助教授 (40240767)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | セレン / マイクロクラスター / 光吸収 / 光誘起現象 / 欠陥 |
Research Abstract |
ゼオライト4Aの空洞中にSe蒸気を吸着させることによって、リング状Seマイクロクラスターを作成した。この試料は、これまで実験に用いてきた、孤立鎖状構造のSeと同じく約2.8eVの光学ギャップを持つ半導体としての光吸収スペクトルを示した。今研究では、クラスター当たり8個のSe原子を含む試料を主に用いて測定を行った。 この試料の光誘起現象について調べるために、分光器を購入して70Kで光照射を行い、続けて光吸収スペクトルの測定を行った。その結果、これまで孤立鎖状Seでは見られなかった非常に鋭い吸収線が出現することを見出した。この吸収線は、鎖状Seでみられるものよりは、アモルファスSeにおいてみられる吸収線の構造に近い。 この吸収線について、光照射時間、照射エネルギーを変えながら詳しく測定することにより、3つあるいはそれ以上の独立したバンドからなることを明らかにした。さらにこれたのバンドを形成している欠陥は、光照射により互いに変化することを光ブリーチングの実験により確かめることができた。 次に、Seと同族のSやTeを混合した試料を作り、同様の測定を行った。S、Teを添加すると光学ギャップはそれぞれ拡大、縮小するが、光照射による吸収端の低エネルギーへのシフトはいずれの試料でも観測できた。しかしながら、8個のSe原子のうちわずか1個をSあるいはTeに置換することにより、Seの試料で見られた鋭い吸収線の出現はほとんど見られなくなった。このことは、クラスター中のSe-Se結合に局在する欠陥が吸収線の原因になっていることを示唆する。 クラスター中の欠陥の構造について明らかにするために、低温でのラマン散乱の測定を行うためのセル作成を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
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