Project/Area Number |
07740255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
一色 俊之 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (90193458)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アモルファス / 電子線回折 / イメージングプレート / 成膜シュミレーション |
Research Abstract |
電子線回折像を、イメージングプレートおよびスロースキャンCCDカメラを利用して計測した結果について検討した。イメージングプレートは、ダイナミックレンジの広さから、従来の写真乾板法に比べ、遙かに少ない撮影枚数で目的とする計測データを得ることができた。また、測定値から電子線強度の関係が単純な換算式で求められる点も従来方式に比して大きなメリットである。得られた電子線回折強度に対して理論的な原子散乱項および非弾性散乱項を高散乱角側までよく適合させることが可能で、精度の高い結果が得られた。Sb薄膜に対する計測では少量の混在物の存在が確認できている。スロースキャンCCDカメラも同様な特徴を持つが、高強度の電子線露光後CCD上に残光現象が起こり、連続計測には不利な点が得られた。 非晶質膜形成過程のシュミレートは、従来の静的モデリング手法に対して3次元の広がりを持つ空間内に不規則に飛来した原子が堆積してゆく動的モデルを検討した。新規に飛来した原子はすでに堆積している原子との間の適当な相互作用により定着し、成膜が進行してゆく。原子近接距離、結合角度を与え、その値に適当な揺らぎを加味して既存原子と飛来原子の位置関係を求める手法のプログラミングを行った。この方法で得られたSe非晶質モデル内には3原子分子が多く形成され、4原子以上の分子は少なかった。実際のSe薄膜の動径分布関数の解析では3原子分子が多数存在することが示され、モデリング手法が良好であることが示された。この手法は原子間の相互作用を簡略化したものであり、成膜開始から終了までを比較的短時間で行うことができるが、結果の精密さでは不十分な点も多い。一方、分子動力学法では精密なモデリングが可能であるが、演算時間は膨大なものとなる。原子間相互作用の適切な近似により精度向上と演算時間短縮の両立が課題である。
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