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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
半導体量子構造において,その発光寿命や非線形感受率をフォトン走査トンネル顕微鏡を用いて観測することを考える.ただしこの場合,プローブの励起・検出感度が最も深刻な問題となる.これを克服するためには,高効率プロープの作製が最重要な課題である。 先鋭化ファイバ・プローブに金属膜をほどこすことによって微小開口を作製する場合,先端までの光の伝達効率はプローブの形状に大きく依存する.先端角および導波部分の長さの異なるプローブに対して、それらの伝達効率の開口径依存性を測定した結果,金属クラッド導波路のカットオフ領域の長さが先端角の小さなプローブほど長くなり,光量の大きな減衰をもたらしていることが明らかとなった.この結果をもとに実験上の操作性も考慮して,プローブ形状の最適化をおこなった.光ロスの小さい領域を十分長くとり,カットオフ径以後は極力短くなるように工夫してある.このような形状のプローブについて伝達効率を評価した結果,従来のプローブに比べ、1桁以上の効率の向上が達成された. さらに上記の最適化プローブを用いた半導体素子の空間分解分光のデモ実験として,横方向p-n接合における遷移領域の位置,幅,発光特性などの評価をおこなった.特に接合領域内に不純物濃度の乱れや内部電場の不均一性に起因すると思われる局所的な発光強度の変化が検出された.ここで,局所励起と局所検出を同時におこなうことにより,300nm程度の分解能が得られた.この大きさは,キャリアの拡散距離よりも十分短いものとなっており,本実験で開発したプローブが分解能,感度の点で優れていることを示している. 今後は,低温における半導体量子構造の発光寿命,非線形感受率を同様のプローブを用いて測定する予定である.
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