磁化過程に現れるスピングラスの磁場中での準安定状態再構築の機構
Project/Area Number |
07740286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
香取 浩子 理化学研究所, 磁性研究室, 研究員 (10211707)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | スピングラス / 磁化過程 / 準安定状態 |
Research Abstract |
スピングラスとは、競合する強磁性相互作用と反強磁性相互作用とがランダムに分布したスピン系である。低温で形成する秩序相では、個々のスピンがランダムな方向を向いたまま凍結しているため、準安定状態が多数存在するが、その詳細については未だ明らかとなっていない。磁場中での準安定状態は、磁場の変化に伴って次々に再構築され、安定状態に移行していくと考えられている。従って、磁化過程を調べることにより、系が磁場によって準安定状態から安定状態へ移行する様子を調べることができる。 我々が見いだした交換相互作用競合系であるFeTiO_3TOMuTiO_3との混晶Fe_XMn_<1-X>TiO_3は典型的なスピングラスの振舞いを示す。この試料におけるこれまでの磁化過程の研究において、磁化過程に現れるメタ磁性転移が、定常磁場を用いてゆっくりと磁場を掃引した場合は非常に鈍って観測され、一方、パルス磁場を用いて速く掃引した場合には比較的シャープに観測されるということが明らかとなっている。この振舞いは、従来の秩序系とは逆の振舞いであり、この原因についてはまだ明らかとなっていない。 そこで、今年度は、準安定状態の再構築と磁化過程との関係を詳細に研究するために、磁場掃引速度を一定に制御できる定常磁場を用いて強磁場までの磁化測定を行うことを計画した。そこで、当研究室に設置されている20Tの超電導磁石を用いて、磁化が測定できるように、磁化測定用装置の作成を行った。現在、装置がほぼ完成したので、これから、本格的に磁化過程の測定を開始する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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