Project/Area Number |
07740290
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田仲 由喜夫 新潟大学, 理学部, 助教授 (40212039)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 準粒子状態 / 異方的超伝導体 / 位相干渉 |
Research Abstract |
高温超伝導体は電子相関のきわめて強い系であるために,BCS理論で議論されてきたs波のペアではなくて,異方的なd波のペアが形成されているということが,さまざまな実験あるいは理論的考察から明らかになってきた.種々の物理量がd波の性質を受けることが避けられない事実である.我々はトンネル効果,ジョセフソン効果の研究を行って,界面における束縛状態に関する理論の基本的な研究を行ってきた.その結果,高温超伝導体でしばしば観測されるゼロバイアスのコンダクタンスのピークの起源を解明してきた.さらに,ゼロバイアスピークの起源を束縛準位という観点から検討した.本年度は,界面における準粒子の状態密度をグリーン関数の方法から計算を行った.その結果微分コンダクタンスと界面の状態密度は,絶縁体のバリアーが高い極限において一致するという自然な性質が導かれた.またd波超伝導体のジョセフソン効果に関する基本的な性質を調べてきた.我々は,準粒子の感受する位相効果を取り入れた一般的な表式を導出した.入射角に依存するジョセフソン電流の符号の変化,界面にゼロエネルギー状態等が形成される効果が重要な働きをすることが明確となった.一方こうした成果に基づいて,超伝導体中に形成されるさまざまな準粒子の束縛状態を統一的に研究した.その結果d波の超伝導体の磁束芯の束縛状態は,s波の場合とはかなり異なることが明確となった.高温超伝導体においては,少数キャリアー系であるためにフェルミエネルギーの大きさに比べて,ペアポテンシャルを無視することはできない.このような場合の磁束芯の状態は十分に明かではない.現在こうした問題を取り扱う数値計算の方法を開発中である.
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)