Project/Area Number |
07740296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 達生 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80205468)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 酸素分子 / 磁性 / 一次元 / 細孔 / 物理吸着 |
Research Abstract |
一次元細孔を有する次の二つの物質に物理吸着させた酸素分子の磁気測定を行った。 1.Cu trans-1,4-cyclohexanedicarboxylic acid 帯磁率の温度変化では30K近傍のSchottky型のピークとそれ以下の低温域におけるCurie則的増大が観測された。後者を孤立酸素分子の寄与として差し引いた残りはS=1/2反強磁性ダイマーモデルにフィットさせることが出来た。パルス強磁場を用いた磁化過程の測定(T=1.3K)では、H=35Tを臨界磁場とする一段のメタマグ的転移後2μ_B/O_2を飽和値とする磁化が観測された。この結果は上記S=1/2ダイマーモデルを支持する結果である。以上は低吸着量においてみられ、吸着量を大きくするとダイマーモデルからのズレがみられるがS=1一次元反強磁性体やS=1ダイマーとは明らかに異なる結果である。これらの結果について物理的解釈には至っていないが、吸着した酸素分子のS=1状態の不安定性を示唆していると考えられる。 2.ゼオライト(ZSM-23) 45Tまでの磁化過程の測定では一次元反強磁性体に特徴的な直線的変化が得られているが、10T以下の低磁場領域で大きな常磁性的振る舞いが観測されており、S=1の系で期待されるHaldaneギャップは観測されていない。帯磁率の温度変化では30K近傍にわずかな折れ曲がりが観測されるが低温領域での常磁性的な増大が大きく、その温度依存性を議論するには至っていない。一次元系の短距離秩序を反映した比熱を観測するために現在比熱測定を準備中である。
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