Project/Area Number |
07740348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
日野 健一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90228742)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ミュオン触媒核融合 / クーロン三体問題 / 超球座標法 / ミュオン準分子 / 双極子相互作用 |
Research Abstract |
超球座標法に基づいて(dt μ)準分子の励起状態を介する衝突過程の反応断面積を数値計算した。ここでは、dμとtμのミュオン原子がn=2の第一励起状態にある場合の弾性、励起、ミュオン移行反応、Feshbach共鳴を入射エネルギー0.001eVから100eVの範囲で解析した。全角運動量はS波(J=0)のみとし、相対論的効果によるLambシフトの効果は考慮しない。 励起状態にあるdμとtμ原子間の反応の基本的は特徴は、それらが長距離の双極子相互作用によって引き起こされるということである。とりわけ、引力型双極子相互作用により、閾値より僅かに上の極低エネルギー領域ではGD(Gailitis-Damburg)振動といわれる入射エネルギーに対する衝突断面積の顕著な振動現象が引き起される。これは縮退した励起状態間のStark混合に起因する効果である。このGD振動は電子-励起水素原子の極低エネルギー衝突では知られていたが、同じエネルギー領域で起こる形状共鳴に比して著しく小さいため重大な関心を喚起することはなかった。励起(dt μ)準分子における引力型双極子相互作用は、三体系の換算質量の相違により対応する電子-励起水素原子系の場合に比して10倍以上大きいため、dt μ系の衝突では非常に強いGD振動が生じることが分かった。さらにいくつかの引力型双極子チャネル間の強い非断熱相互作用により、各チャネルの位相間に干渉が起こり、衝突断面積に不規則な振動が現れてくることが見出された。この非断熱相互作用による不規則な振動現象は全く新しい物理的知見である。このGD振動は全角運動量がJ=7まで現れるが、Lambシフトの効果を考慮すると部分的に消失すると思われる。しかし、非断熱相互作用による振動はLambシフトの有無とは関係であろうと考えられる。
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