Project/Area Number |
07740361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高柳 和雄 上智大学, 理工学部, 助教授 (30183859)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | メタルクラスター / 多重散乱 / 非局性ポテンシャル / 有効相互作用 / 近距離相関 |
Research Abstract |
媒質中での電子の多重散乱は,自由空間中での散乱に倣って,リップマン・シュウィンガー型の方程式で定式化できる。その解はg-行列と呼ばれ,媒質中での2電子間の近距離相関の効果を有効相互作用として表したものに相当する。本研究では,2次元及び3次元電子系におけるg-行列を微視的に求め,それらが系の応答関数にどの様な影響を与えるのかを調べた。まず,2次元電子系において乱雑位相近似における誘電関数に対し,クーロン力の交換項を正しく取り込む事により,量子モンテカルロ計算で得られた静的誘電関数の性質をほぼ説明する事に成功した。これは,静的な誘電関数が金属程度の密度を持つ2次元電子系では広い運動量領域に対して負になるという結果であり,高温超電動とも関連して注目を集めている。この一致は,電子の多重散乱プロセスから生じる近距離相関(g-行列)を正しく考慮することによりさらに良くなった。これらの計算を吟味した結果,静的な誘電関数が負になるのは,(遮蔽された)応答関数の極の影響であることがわかった。現在,3次元電子系に対して同じ研究を進めており,g-行列を使ってメタルクラスターの微視的な構造計算を行う予定である。g-行列のもつ強い非局性の為に,これまでのハートレーフォック計算とはかなり違った結果がでるものと期待している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)