Project/Area Number |
07740379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向川 均 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20261349)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 大気大規模運動 / 準定常状態 / 予測可能性 / ブロッキング現象 / 天候レジーム / 最適励起問題 / 力学系理論 / 気候予測 |
Research Abstract |
1.準地衡風近似傾圧2層スペクトルモデルの作成: 傾圧不安定波や惑星波など、現実大気における大規模運動を表現するのに十分な空間分解能を持つ準地衡風近似傾圧2層スペクトルモデルを作成した。 2.力学的根拠を持つ予測可能性の指標の提出: これまでの研究で用いられている予測可能性の指標は、その力学的根拠が不十分であったため、中緯度対流圏の力学を最も簡単な形で表現するEadyモデルを用いて、予測可能性を決定する最適励起問題について詳しい解析を行った。Eadyモデルにおいては、この最適励起問題は線形問題となるので、不安定問題と対比しながら解析的に調べることが可能となる。特に、モデルの境界条件としてエクマン摩擦に伴う鉛直流を仮定した場合、これまでの研究と同様に、流線関数の振幅の自乗に相当するL2ノルムを用いて擾乱の発達を評価した場合には、安定領域にも拘わらず、擾乱が永久に発達するように表現されてしまうことが見い出された。これは、L2ノルムでは擾乱の運動エネルギーのみに注目するため、全エネルギーが減少する状態でも、擾乱の有効位置エネルギーから運動エネルギーへの変換項が存在すれば、擾乱が発達すると表現してしまうためである。従って、エクマン摩擦が存在する状況において、最適励起問題を考える場合、全エネルギーを擾乱発達の指標にする必要があることを示された。なお、この部分の研究結果については、現在論文を執筆中である。 3.非周期運動における準定常状態の解析: 1.で作成されたモデルで、現実大気に相当すると思われるパラメータ領域における定常解の分岐図を現在作成中である。今後は、非周期的な運動で出現する準定常状態について、定常解や周期解との関連の観点から解析を行う予定である。さらには、2.で得られた予測可能性の指標をこのモデルで計算し、その時間的変動と準定常状態との関連について検討することも計画している。
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