Project/Area Number |
07740412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
延原 尊美 名古屋大学, 理学部, 助手 (30262843)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 鮮新-更新世 / 暖流系動物群 / 前弧海盆 / 軟体動物化石群集 / 陸棚斜面 / 漸深海帯 / 食性 / 古生物学 |
Research Abstract |
静岡県掛川地域の鮮新-更新統掛川層群には、貝化石群集の空間分布に規則性が認められていた.この規則性は、陸棚外縁より深海に向かって主要構成種が、肉食・腐肉食性の巻貝類→濾過食性のLimopsis→泥食性の原鰓類へと変化することで特徴づけられる.目的の一つは、このような規則性が同時代の他地域でも認められるかを検証することにあった.今年度は、沖縄本島の島尻層群新里層にて野外調査を行い、約30産地で貝化石群集・堆積構造・生痕化石について詳細な生物相の観察を行った.また、流れ込みなどの産状の評価も加えた結果、沖縄本島においても、同様な群集変化の傾向がとらえられるに至った.このような当時の黒潮域で共通に認められる生物相変化の規則性は、陸棚から斜面にかけての有機物フラックスを反映しているものと考えられる.とくに陸棚外縁付近に認められる高位捕食者の多い巻貝群集には、浮遊性有孔虫や浮遊性貝類が密集塊を成して伴うことが認められた.このことは、海洋表層部での生産性を高める潮目(陸棚縁フロント)の発達が、底生動物相にも影響を及ぼしていることを示唆している.この成果については、平成8年1月、日本古生物学会で発表した. 本研究のもう一つの目的は、前弧海盆堆積物である掛川層群中に還元環境型の群集がどのように分布しているのかをとらえ、水塊構造やテクトニクスとの関連を考察することにあった.しかしながら、新たな化石産地は一つ発見されたにとどまり、分布傾向まで議論するには至っていない. なお、陸棚斜面域の貝化石は微小なものが多く、鑑定の難しいものも多い。本年度の研究費で購入したビデオカメラ、コンピュータを実体顕微鏡に取りつけ、画像をデジタル化して比較できるシステムを構築した.これにより、群集の構成要素の比較を容易にし、群集記載のデータベース化を推進した.
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