幌満マントル・ダイアピル内部の構造と高温変形流動組織に解析
Project/Area Number |
07740420
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 奈津子 千葉大学, 理学部, 助手 (50261897)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 幌満 / かんらん岩 / 斜長石 / シンプレクタイト / 変形 |
Research Abstract |
本研究から以下のことが判明した。 1.幌満岩体では平衡温度の違いによって、Fertileなかんらん岩(斜長石レールゾライト)中に数種の異なる産状の斜長石が出現する。その中でも岩体全体を通して出現する、斜長石に富む薄層(semn-type)について、EPMAを用いて二次元元素濃度分布分析を行い詳細な比較・検討を行った。 (1)低温部(初生温度値850〜950℃)では細粒鉱物集合体として産する。鉱物組み合わせは斜長石、かんらん石、スピネル、斜方輝石であり、シンプレクタイト状の組織を示すこれらの鉱物粒界にまれに単斜輝石の微細粒子が存在する。これらのseamは、ザクロ石の分解物である斜方輝石-単斜輝石-A1に富むスピネルからなる中圧下の鉱物集合物が低圧でさらにサブソリダス下で分解反応して形成されたものである。微細粒な単斜輝石は反応残留物であると考えられる。多くのscam中には単斜輝石が存在しないことから、反応は単斜輝石が完全に消滅するまで進行し、単斜輝石の消滅とともに反応が停止したと考えられる。 (2)高温部(初生温度値950〜1150℃)では、粗粒の鉱物集合体として産する。鉱物組み合わせは斜長石、かんらん石、単斜輝石、スピネル、斜方輝石である。普遍的に単斜輝石が出現すること、単斜輝石は斜長石などの他の鉱物とIntergrowthした組織を呈すること、スピネルのモード組成比が減少すること等からサブソリダス反応だけでは説明できず、サブソリダス反応と部分溶融メルトからの結晶晶出の混合物であると考えられる。 2.seamの形態は低温部から高温部に向かって、Aspect ratioが30から8まで減少する。変形の進行した低温部では、斜長石は長軸(lineation方向)に直交する方向にのみ著しくN_a成分に濃集したリムが存在する。高温部ではこのようなリムは観察されていない。このN_aに富むリムの成因はOzawa(1989)でスピネルのAl-C_r成分で議論されているような変形による元素拡散である可能性が高い。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)