SOR光を用いた表面X線散乱法による電極/溶液界面の原子レベルでのその場構造解析
Project/Area Number |
07740439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
近藤 敏啓 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70240629)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | in situ SXRD法 / SOR光 / 真空蒸着 / 金薄膜 / 電気化学測定 / 半導体電極 / 溶液界面 / p-GaAs(100) / 酸化溶解反応 |
Research Abstract |
本研究では、in situ 表面X線回折(SXRD)測定により、金属・半導体単結晶電極/溶液界面の構造を原子レベルで評価し、既存のSTM/AFMやFT-IRの測定結果との比較検討から、界面構造を詳細に解析することを目的とした。 まず金基板上に真空蒸着した金薄膜表面構造をin situ SXRD測定により評価した。これまでガラスや雲母上には条件を選ぶことによって金は(111)構造が選択的に成長することが知られていたが、それらは剥がれやすくまた基板自身が絶縁体のため電気化学測定に利用するには不適であった。本研究では条件を選んで作製することで、金基板上に(111)構造で金薄膜を成長させることが可能なこと、およびそのようにして作製した試料は十分金(111)単結晶電極として電気化学測定に利用できることを証明した。 ついで、STMでは観察不可能である半導体試料、p-GaAs(100)表面構造をin situ SXRD測定により評価した。p-GaAs(100)電極を硫酸および塩酸溶液中で酸化電流が流れ始める直前の電位で保持しておくと、表面の(11)方向の回折光強度は一度大きくなった後徐々に減衰し、最終的には最初の強度の3分の1に落ち着くという挙動が観測された。最初に回折光強度が増加するのは塩酸中においてのみで、これは塩酸がGaAsのエッチング溶液として(100)面に選択的に働き、表面の清浄化・平坦化を促進させたことを意味している。また電位をそのまま保持しておくと両溶液中で回折光強度が減少するのは、表面から酸化溶解が起こり、表面付近の(100)構造が乱れることに対応している。これらの結果はすでにin situ AFM測定結果より観測されているp-GaAs(100)表面の挙動と一致している。本研究はSXRD法を初めて半導体電極/溶液界面に適用した例であり、この分野の今後の発展が期待されるところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)