異積多層膜中における励起エネルギー緩和機構に関する研究
Project/Area Number |
07740442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋本 誠志 北海道大学, 工学部, 助手 (40250477)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高速蛍光分光法 / ストリークカメラ / 励起エネルギー移動 / LB膜 |
Research Abstract |
本研究は以下の2点にまとめられる。 1.ストリークカメラを用いた高速蛍光分光法の開発 次項で問題となるような高速現象を捕らえるためには、既存の方法では不十分であり、新たにピコ秒からサブプコ秒の時間分解能をもった波長-時間の二次元測光法が必要となる。そこで、偏向電極に進行波偏向板を持つストリークカメラを用いた高速蛍光分光法の開発を行った。最終的に、装置応答関数で約8ピコ秒、計測チャンネルあたり0.2ピコ秒の時間分解能を持つシステムが得られた。 2.ラングミュア・ブロジェット膜における励起移動・励起緩和 フェルスター理論に基づく励起エネルギー移動では、移動効率はエネルギードナー・アクセプター分子間の距離とそれらの向きの関数として捕らえることができる。ラングミュア・ブロジェット(LB)法は、発色団分子を膜中にある程度の配向・距離をもって配列させることができ、エネルギー移動過程の研究に適している。 励起移動に関しては、発色団として、アントラセンとペリレンを用いた。LB膜中において、アントラセン、ペリレンの電子基底・第一励起状態間の遷移ダイポールモーメントは、それぞれ石英基板に対して60度、0度となることが知られている。また、膜1層あたりの厚さは27.5Åであり、これがアントラセン-ペリレン間距離の最短距離となる。蛍光寿命、時間分解蛍光スペクトルの測定から、平均的には40Å離れた分子間(アントラセンからペリレンヘ)で励起移動が行われていること、最短距離に配置された分子間で70ピコ秒以内でおこる励起移動が存在することが示唆された。今後、前項のシステムを用いて、高速過程の観測を行う予定である。 また、ナフタレンを含む単分子膜を生成し、その励起緩和過程を観測した。ナフタレンは、他の芳香族LB膜と比較して会合体を形成しにくいことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)