時間分解赤外分光法による短寿命表面化学種に関する研究
Project/Area Number |
07740443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
紫藤 貴文 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (70235539)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 時間分解赤外分光法 / ゼオライト細孔内クラスター / 光励起 / 短寿命中間体 |
Research Abstract |
時間分解赤外分光器用の真空ラインと流通系のたち上げを完了した。また、これらの装置を用いて、ゼオライト細孔内の光励起過程、緩和過程、およびCO水素化雰囲気中での担持ロジウム触媒の吸着種の挙動について検討した。 NaY型ゼオライトの細孔内に内部合成した[Pt_<12>(CO)_<24>)]^<2->は680nmより波長の短い光を吸収し、それによって、ゼオライト細孔内に存在する水分子を熱的に励起する。それにともない、水分子の脱離が起こり、[Pt_<12>(CO)_<24>)]^<2->に配位しCOの赤外吸収波数のシフトが観測された。これらの変化は数秒のオーダーで緩和し、高い分解能を持つ時間分解型赤外分光法によって初めて観測された。励起過程で、照射する光の波長依存性が観測され、[Pt_<12>(CO)_<24>)]^<2->が吸収する波長の光を照射したときのみこの現象が見られたことから、[Pt_<12>(CO)_<24>)]^<2->が一旦光励起され、そのエネルギーがクラスターの周りに存在する水分子に伝わって、水が励起されることが明らかになった。また、その緩和過程で、緩和速度は水の吸着量に比例すること、また、緩和速度の温度変化から、ゼオライト細孔内での水分子の移動が緩和過程での律速段階であることが明らかになった。 また、シリカ上に担持したロジウム触媒上でのCO水素化反応の定常状態で、レーザー光を照射し温度ジャンプを行ったところ、吸着COの波数が2msの間に2075cm^<-1>から2060cm^<-1>にシフトし、約0.1秒後にもとの波数に戻った。これは、ミリ秒オーダーでの吸着種の挙動を分光学的に追跡することに成功した初めての例である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)