Project/Area Number |
07740446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 春樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80261551)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高振動励起状態 / 異性化反応 / 誘導放出分光法 / 分散蛍光法 / フェルミ共鳴 / HCP分子 |
Research Abstract |
本研究では最も簡単な異性化反応の一つであるHAB型分子におけるHAB←→HBA型の反応を分光学的に捕らえることを目的として、HCP分子の高振動励起状態の観測を試みた。これまでの研究からHCP分子は高振動励起状態の研究の対象として適していると考えられる。今年度はまず初めにHCP分子の合成装置及び誘導放出分光用の測定装置の制作を行った。これらの装置を用いてHCP分子の高振動励起状態の観測を行った。本研究では高振動励起状態の観測に有効な、分散蛍光法と誘導放出分光法の2つの方法を併用した。分散蛍光法は分光器を用いるために高い分解能は得られないが広い波長範囲を測定できることが利点である。今回、HCP分子のC状態からの分散蛍光スペクトルを初めて測定した。分散蛍光スペクトル中に振動エネルギーで20000cm^<-1>以上の非常に高い振動準位にわたる規則的なプログレッションが観測された。また振動エネルギーが高くなると分散蛍光スペクトル中のピークの分裂が見られた。この分裂に対応する振動準位の集まりは、互いに変角振動2量子とCP伸縮振動1量子の間のフェルミ共鳴で相互作用しあっており、ポリアッドと呼ばれている。このポリアッド構造は高振動励起状態の振動構造を解析する際に大きな手がかりとなると考えられる。ポリアッド内の振動構造を解析するために、誘導放出分光法を用いた高分解能の測定を行った。その結果、20500cm^<-1>付近の1つのポリアッド内に10数個の振動準位を見出した。今回の研究で得られた振動準位のエネルギーを低い振動準位の解析結果から計算したものと比較を行った。その一致は良くなく、高次の非調和項の影響を取り入れる必要があることがわかった。
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