三色性非共鳴超高速六光波混合法による液体中の振動位相緩和におけるエコーの実験
Project/Area Number |
07740475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
富永 圭介 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30202203)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 非線形分光法 / 超高速分光法 / 振動位相緩和 / 液体ダイナミクス |
Research Abstract |
従来の振動スペクトルの線形解析や三次の非線形分光法では解析に任意性が大きいため一義的な議論をすることが困難であった。本研究では高次(五次)の非線形分光法を開発することにより新しい情報を得ることを目的としている。特に、時間に対するいくつかの二次元分光法を開発を行い、液体の微視的構造やダイナミクスに関する情報を得ることを目指している。本研究における五次の三色性の実験では、v=2のレベルをcoherentに励起するが、シグナル全体の強度が二つの一光子遷移(α_1^2)と一つの二光子遷移(α_2)に比例するためシグナル強度が非常に弱くなることが予想される。そこで、同様の強度依存性(α1^2α_2)を持つ五次の倍音の位相緩和の研究を行った。CDCl_3のCD伸縮振動やCD_3Iの対称メチル伸縮振動などで倍音と基音の位相緩和を測定したところ、二つの位相緩和を摂動論(Redfield theory)やstochastic theoryで満足に説明することができないことがわかった。更に、時間に対する二次元性を持たせるため二次元倍音位相緩和の実験を行った。これは、エコー型の実験ではないが、三色性エコーと全く同じ強度依存性をもってくる。この二次元位相緩和のシグナルが非常に弱いが十分観測可能であることを示し、v=2のレベル位相緩和の理論的取り扱いが従来のものではできないことが明確にわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)