Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では、超音速分子線を用いて希ガスと分子の混合クラスターを生成し、真空紫外光を吸収させて希ガスを励起する。そして、分子間エネルギー移動反応の結果生成したクラスターイオンを飛行時間測定型質量分析器で観測することによってクラスター内エネルギー移動反応過程を明らかにすることを目的としている。 分子科学研究所の極端紫外光実験施設(UVSOR)のストレイジリングからのシンクロトロン放射を瀬谷-波岡型真空紫外分光器で単色化して励起光源とした。また、クラスター源としてはノズルとスキマ-を用いる一般的な超音速分子線源を用いた。まず初めにAr-O_2,Ar-CO_2系での測定を行ったが、Ar・O_2^+,Ar・(O_2)_2^+,Ar・CO_2^+,Ar・(CO_2)_2^+などの混合クラスターイオンは観測されなかった。そこで、飛行時間測定型質量分析器を改造し、その設置方向を分子線に対して垂直方向から同軸方向に変えてイオンの検出効率の向上を試みた。その結果、Ar^+,O_2^+,CO_2^+などの分子イオンのシグナルは強くなったが、依然として混合クラスターイオンは観測されなかった。したがって、観測するのに十分な数の中性の混合クラスターが生成していないことと、励起光の強度が弱いために十分な数の混合クラスターが励起していないことが考えられる。現在、励起光の強度を強くするために分光器を含めたビームライン光学系の大幅な改造を検討中であり、また、効率よくクラスターを生成する冷却型クラスター源を開発中である。今後これらの新たな装置を用いることにより、混合クラスターのクラスター内エネルギー移動反応が明らかになると考えられる。
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