Project/Area Number |
07740481
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
丑田 公規 理化学研究所, 反応物理化学研究室, 研究員 (60183018)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | フェムト秒分光 / ピコ秒分光 / 混合原子価状態 / イオンラジカル / ダイマーイオンラジカル / 過度吸収分光 / 電荷共鳴 / 電子移動 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに製作したフェムト秒過渡吸収分光装置に光パラメトリック効果生成器(OPG)を付加し、470nmから15ミクロンまでの波長を有するフェムト秒パルス光を作ることができた。これにより、芳香族ダイマーイオンラジカルの特徴的な吸収バンドである電荷共鳴吸収帯(800nmより長波長の近赤外領域に現れることが多い)を励起し、ポンプープローブ分光によりその吸収帯のブリーチのフェムト秒時間領域でのダイナミクスを観測する準備が整った。一方、適当な反応システムを見いだす目的で、二つのピレン分子をアルキル基で接続したジピレニルプロパン分子のラジカルカチオンとラジカルアニオンをパルスラジオリスで生成し、ラジカルカチオンでは2量化が進むのに対し、アニオンでは2量化が起こらないことを見いだした。すなわち、ラジカルアニオンでは混合原子価状態が生成しないことがわかった。本来、この両者の電荷共鳴相互作用は同一のはずで、この差が生じる理由を次のように考えた。すなわち、ダイマーの距離に相互作用が依存し、さらに溶媒の分極が関与した混合原子価の動的破綻であると考え、非経験分子軌道法を用いた理論解析で得られた相互作用曲線を用いて裏付けた。今後はこの系に従来計画していたフェムト秒の実験を適用し、フェムト秒パルス光で混合原子価状態を動的に壊したり、生成する実験をおこない、溶媒の分極との相互作用を動的に解析する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)