Project/Area Number |
07740494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 健之 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助手 (10262924)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 不斉合成 / 複核金属錯体触媒 / グリニャ-ル反応 |
Research Abstract |
触媒量の不斉源から無限の光学活性体を合成可能な触媒的不斉合成法の開発は現代有機化学の最重要課題の一つである。今回炭素炭素結合生成反応の中でも重要な有機マグネシウム反応剤のプロキラルなカルボニル化合物への付加反応の不斉触媒化について検討した。グリニャ-ル反応剤がカルボニル化合物と反応する際、本反応剤二分子とカルボニル化合物一分子の合計三分子からなる六員環遷移状態を経由すると考えられている。そこでこの遷移状態を安定化すると考えられる不斉オキサゾリン型配位子を新たに設計し、種々その合成法を検討した結果、2-ヒドロキシルイソフタル酸と光学活性バリノールから本配位子を一工程で合成する方法を確立した。まずこの配位子を化学量論量用いてメチルマグネシウム反応剤のベンズアルデヒドへの付加反応を検討した結果、アルデヒドに対するグリニャ-ル反応として初めて80%以上の不斉収率でアルコール体を得ることに成功した。なお化学収率はキャピラリーカラムを用いるGC分析、光学純度は光学異性体分離カラムを用いるHPLC分析により決定した。本反応は用いる反応溶媒と有機マグネシウム反応剤の影響が大きく、THF溶媒中ヨウ化メチルマグネシウムを用いると不斉収率が向上する。またアルキル化剤としてジメチルマグネシウムを用いた時には50%eeで逆の光学異性体が得られることもわかった。これらの知見を基に不斉触媒反応への展開を試みた結果、10mol%のアルミニウム錯体触媒を用いたときに化学収率80%、不斉収率23%eeで目的物が得られた。本結果は不斉収率が低いながらもグリニャ-ル反応の不斉触媒化の可能性を示唆するものであり、今後さらに高い選択性を示す触媒の開発が期待される。
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