10-P-5型ホスホランを用いた高選択的オレフィン化反応の開発
Project/Area Number |
07740501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小島 聡志 広島大学, 理学部, 助手 (70215242)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ホスホラン / Wittig反応 / Z-選択性 / 6配位リン / ハイパーバレント / オレフィン / 中間体 |
Research Abstract |
Martinのリガンドを二つ組み込んだスピロ型のホスホランのエクアトリアル置換基として酢酸エステル基を導入することにより安定型リンイリドに対応する10-P-5型の新規なWittig反応試剤を合成することができた。この試剤に対してNaHやt-BuOK存在下0℃においてベンズアルデヒドを反応させると今までに報告例のない6配位中間体を経由すると考えられる機構によって選択的にZ型オレフィンのみが得られることがわかった。そこで,他のカルボニル化合物についても同様の検討を行ったところ,芳香族アルデヒドでは電子求引性の強い置換基を持つものほど選択性が低下することがわかった。しかしながら,これらも低温で反応させると選択性が向上しZ型オレフィンのみが得られることがわかった。また,アルキルアルデヒドの場合もZ型オレフィンが優先することがわかったが,特筆すべきことは,カルボニルに対してαの位置に第三級炭素があった場合はZ型オレフィンのみであり,従来法(Z:E=4:1)では達成できなかった選択性である。さらに,ケトンやエステルなどの少し大きいカルボニル化合物は全く反応せず,著しい基質選択性があることも判明した。この反応系では中間体の捕捉や観測はできなかったので同じスピロホスホランでも酢酸エステル基のかわりにオレフィン生成がしにくいと考えられる2-ヒドロキシ-2,2-ジフェニルエチル基を導入し,塩基と反応させたところNMRによって6配位化合物を観測することができ,この系のWittig反応においては6配位中間体が実際に関与していることが証明できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)