Project/Area Number |
07740505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
兼田 直武 大阪市立大学, 理学部, 助手 (00264797)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | メタセシス / モリブデンヘキサカルボニル / アルキン / 三量化反応 / フェノール |
Research Abstract |
モリブデンヘキサカルボニルとフェノールを触媒とするアルキンメタセシス反応について、反応基質、反応条件等を詳細に検討することによって、新規アルキン合成法を開発した。 メタセシスは、平衡反応であるため目的とする生成物が、熱力学的に有利であることが必要であるが、実際通常の非環状アルキンではその差はそれほど大きくない。そのため、次の二点に着目し新規アルキン合成法を達成した。 最初に、一方のアルキン化合物を他方に対して過剰量用いることによって、平衡を片寄らせて新しく目的とするアルキン化合物を生成させるという方法を適用した。過剰量用いる当量数を暫時検討した結果、おおむね3当量用いることにより達成された。この結果を踏まえ、2種の対称アルキン化合物から、1種の非対称アルキン化合物を効率よく合成する方法を確認した。 次に、アルキンメタセシスにより生成するアルキン化合物を反応系外に除くという方法について検討した。2-アルキンを用いてアルキンメタセシスを行うと、対称アルキン化合物と2-ブチンが生成する。しかしながら、2-ブチンは沸点が低く反応系内に留まらない。そのため反応平衡を生成物側に片寄せることが可能である。この点に着目し、2-アルキンと別の対称アルキン化合物から、新たにアルキン化合物を合成する方法を開発した。 また、本アルキンメタセシスに必要不可欠なフェノールの役割について検討するため、オルトヒドロキシフェニルアルキンについてモリブデン触媒と共に反応を行ったところ、三量体即ち、新たにベンゼン環が合成できた。この際メタセシス生成物は単離することはできなかった。このことより、フェノール水酸基が、モリブデン金属に配位していることを明らかにした。
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