Project/Area Number |
07740545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣井 善二 京都大学, 化学研究所, 助教授 (30192719)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高圧合成 / 銅酸化物 / はしご格子 / スピンラダー / 超伝導 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、高圧合成法を用い、アルカリ土類金属-銅酸化物系において、新しい構造や物性が期待される化合物を合成することにあった。研究の初期において、ランタン-ストロンチウム-銅酸化物系において、新しい化合物La_<1-x>Sr_xCuO_<2.5>が合成できることを見出し、圧力6万気圧、温度900〜1000℃の合成条件で単相の多結晶試料を得ることに成功した。X線回折、電子線回折実験とその解析により、試料の結晶構造を決定し、この化合物が銅と酸素がはしご状に並んだ擬1次元構造を持つことを示した。同様のはしご格子は、最近、理論により、特異な物性と特に新しい超伝導を示しうることが指摘されており、実験面でも大きな注目を浴びている。例えば、SrCu_2O_3は、低温で理論的に予測されたように、400K程度の大きさのスピンギャップを有することが確立されている。しかし、これまでに知られているはしご化合物では、超伝導性を得るために必要と指摘されている伝導キャリアの導入が困難であったため、その確認がなされなかった。本実験で発見されたLa_<1-x>Sr_xCuO_<2.5>では、ストロンチウムの量によってキャリア濃度を調整することができ、キャリア量増加に伴う絶縁体-金属転移が観測された。しかしながら、超伝導性を確認するには至らなかった。今後の研究において、その原因を明らかにすることで、さらに新しいはしご化合物合成の指針が得られるものと期待される。
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