ナンヨウスギ科の分子系統と化石による形態進化の解明
Project/Area Number |
07740652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
系統・分類
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大澤 毅守 千葉大学, 理学部, 助手 (50213682)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ナンヨウスギ科 / 分子系統 / 球果化石 / 系統 / 進化 |
Research Abstract |
ナンヨウスギ科2属の分子系統および球果形態の解析、およびその結果に元ずく化石球果化石の再調査を行った。 DNAの精製はCTAB法の前に、0.1M HEPES溶液で洗浄を加えることにより、組織中に含まれる多糖類を極力排除した。遺伝子領域は標準的なmatk遺伝子のプライマーと、針葉樹のクロマツの葉緑体遺伝子の全塩基配列を比較して、裸子植物用のmatk遺伝子用プライマーとして設計し、実験を行った。しかしこのプライマーはナンヨウスギへの適合性が低かったようであり、目的とする遺伝子の充分な増幅は得られなかった。そこでmatk遺伝子の上流と下流500bp程の位置にそれぞれ存在する保存性の非常に高いtrnk領域を用いてプライマーを設計し、増幅を行った。その結果サンプルのうち14種について有効な増幅が得られ、上流側から順次読み進めている。そのためまだ長さ的にも、質的にも系統解析を行うのに充分な情報が得られていない。 形態解析の結果、種鱗複合体の組織、維管束の並び方、種皮の構造、珠心への維管束の供給方法などについて、節や属ごとにそれぞれ特徴的な形態構造を有していることがわかった。特に種子に入る維管束はナンヨウスギ属Arucaria節は左右2カ所から種子にはいり、Eutacta節はカラザ付近の背軸側に大きな穴からはいるという顕著な差が認められた。ナンヨウナギ属は種鱗複合体のに断面で多角形の厚壁細胞からなる厚い下皮を有する点が特徴的である。 これらの情報を元に現在千葉大学に保管されている日本産のナンヨウスギ属の球果化石2種類に関して比較を行った。いずれもAraucaria節のの様に種子への維管束の供給は種子のカラザ側の末端近くの左右から2本であるが、他の形質は一致しない。とくにAraucaria nipponensisの下皮の構造がナンヨウナギ属に極めてよく似ることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)