Project/Area Number |
07740674
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
人類学(含生理人類学)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
山下 真幸 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80255009)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 霊長類 / 下顎骨 / 機能形態 / バイオメカニクス / 有限要素法 |
Research Abstract |
下顎骨のCT画像(ヒト、チンパンジー、ゴリラ、ニホンザルの4種)から三次元有限要素モデルを構築した。CT画像のスキャン間隔は前頭方向に5mmであったが、この間隔では補間が困難な部位がいくつか存在した。モデル構築に十分なデータを得るためには、2〜3mm間隔でのスキャンが望ましいと思われる。この構築されたモデルを用いて、三次元有限要素法による咀嚼のシミュレーションを行った。 有限要素法による計算結果では、顎全体の応力分布は4種ともほぼ共通であることが確かめられた。大臼歯への垂直方向の荷重(=咬合力)をかけると下顎体下縁部に、水平方向の荷重をかけるとオトガイ結合部の舌側面に強い応力が生じた。このような4種共通の応力分布から見て、下顎骨全体はU字型のはりで近似できるようなふるまいをすることが推測される。また、材質別にみると、主として緻密質骨に相当する部分に高い応力がみられ、海綿質骨では緻密質骨に比べて非常に小さい応力しか生じていなかった。よって、通常の咬合力に対しては緻密質骨で対抗していると考えられる。但し、繰り返し荷重や衝撃に対する強さは別に考慮する必要がある。 細部の応力分布では若干の種差が見られたが、サイズの違いも考慮すると、違いの有意性を確かめられる程ではなかった。また、今回の分析手法では、種間の違いをもたらした要因を特定するまでには至らなかった。今後、数種および個体数を増やして更に分析を続ける予定である。
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