MBE用ガリウム砒素基板の砒素分子線を用いない表面クリーニング法の開発
Project/Area Number |
07750022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯塚 完司 日本工業大学, 工学部, 講師 (80212710)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 表面クリーニング / GaAs / 分子線エピタキシ- / 直接成長 |
Research Abstract |
分子線エピタキシ-(MBE)法によってガリウム砒素(GaAs)等の化合物半導体をエピタキシャル成長する時のGaAsウエハの新たな表面クリーニング法の開発を行なった。今までは、GaAs表面から選択的にAs原子が蒸発してしまい結晶のストイキオメトリーが損なわれてしまうものと信じられてきたために、As分子線源が設置されている成長室へウエハを移動してから、表面クリーニングを行なわざるをえなかった。しかし、この際に基板表面より脱離した酸素や炭素のガスは分子線原料を汚染したり、ウエハ表面に飛来して成長中に不純物として結晶内に取込まれてしまう恐れがある。そこで本研究課題では、As分子線を必要とせずに前処理室で行なうことができる新たな表面クリーニング法の開発を目的とした。 GaAsウエハの加熱温度に対する脱離ガスを四重極質量分析計により測定した結果、COやCO_2等の表面酸化膜構成元素は脱離しても選択的なAsの脱離が起こらない575℃〜650℃という温度範囲が存在することを見いだした。この表面の反射高速電子線回折像はストリーク状であり、表面には残留不純物がまったく残っていないことがオージェ電子分光の結果より判明した。また、このような表面を得るためには30分間の保持が必要であることもわかった。この熱処理過程において表面のGaAsも蒸発し、その厚さは100nm〜150nmであった。このような表面上へ井戸幅が異なる積層型単一量子井戸を成長した結果、従来法によりクリーニングした表面の場合より鮮明な発光スペクトルが得られ、結晶性および平坦性の良さが証明された。また、別な実験として、この表面に量子井戸構造を直接成長しても、500nm程度のバッファ層上に成長した場合と同程度の発光スペクトルが得られた。このように、本研究で開発され、「高温基板前処理法」と命名された新たな手法はGaAs基板の表面クリーニングに非常に有効であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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