Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,人間の心理的作用によって生じる,画像中の「主観的輪郭」を工学的な方法で簡単に表現する方法を考案した.「主観的輪郭」とは,本来画像中の画素の値の変化がないにもかかわらず,他の図形からの影響で人間が輪郭が存在することを推定することによって発生する輪郭である。心理学的研究によって,主観的輪郭は「線の端」や「尖った角」などの特徴ある図形を結びつけるように発生するという有力なモデルが提案されている.本研究ではこのモデルを採用し,まず数理形態学的手法によって主観的輪郭の源となる特徴図形を抽出した.そして,特徴図形中の点相互を結ぶ直線の角度のヒストグラムを生成し,このヒストグラムの特徴を分類することによって,主観的輪郭の候補となる心理ポテンシャル場の分布を,離散画素の制約によらず求めることができた.さらに各特徴図形からの心理ポテンシャル場の干渉を求めることで,主観的輪郭を形成した.人間が画像を見たときに主観的輪郭がはっきり想起されるか淡く想起されるか,すなわち主観的輪郭の存在の確信度は,特徴図形の形状や大きさに依存している.この方法では特徴図形の形状や大きさを心理ポテンシャル場に反映させているので,形成される主観的輪郭の濃さが人間のもつ確信度に合ったものとなっている. 今後,角度ヒストグラムと特徴図形からのポテンシャル場の生成とを明確に関係づける理論的研究に本研究を展開させる予定である.また本研究は平成8年秋の光学連合シンポジウムで発表予定である.
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