Research Abstract |
本研究は,大規模な通信網の管理のために実際問題として解くことが要求されるが,効率的な解法は望めないような最適化問題に対して,近似解や下界値といった有用な情報を得るために,劣モジュラ関数や基本分割に関する理論的な成果を活用する手法の開発を目的としていた.特に,交換機等の設備の更改に関する投資計画に関連して,交換機とその利用者との関係についての膨大なデータの構造を的確に把握するために,基本分割を利用した手法を開発した.この手法を計算機上で実現し,実際的なデータによってその有用性を実験的に確認した. また,離散システムの分解手法そのものに関しては,基本構造と基本分割との間の関係に,マトロイドにおける強射の劣モジュラシステムへの拡張が重要な役割を果たしていることが明らかになった.さらに,劣モジュラシステムの強射系列に関する算法の高速化に成功した.
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