Project/Area Number |
07750086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Engineering fundamentals
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
寺田 和子 東邦大学, 医学部, 助手 (10217424)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 非線形力学系 / 余次元2の分岐 / Hodgkin-Huxley方程式 / イオンチャネル疾患 / 筋緊張症 / 周期性四肢麻痺 / homoclinic分岐 / inclination-flip bifurcation |
Research Abstract |
筋肉での連続発火(筋緊張症)の発生機序を数理的に解析し、生理的知見の背後にあるメカニズムを明らかにしていくことを目的として、哺乳動物骨格筋細胞膜の空間固定Hodgkin-Huxley方程式(以下でHHM式、4次元常微分方程式)での分岐現象を解析した。 今回は特に、周期解とhomoclinic orbitをめぐる余次元2の分岐について詳しく調べた。この分岐点は、筋緊張症の連続発火に対応する周期解の出現・消失に関わるものである。 分岐パラメータとしては、リ-クコンダクタンスg1とナトリウム活性か因子化流入流出速度の電位依存性を規定するパラメータVmの二つを用いた。これらのパラメータは、それぞれ先天性筋緊張症とその治療薬の効果とに関連すると考えられるものである。 この2パラメータ平面上で余次元1の分岐(saddle node分岐、Hopf分岐、homoclinic分岐、saddle node of periodic orbit)の線を追跡すること等により、上記余次元2の分岐点を見いだした。数値計算手法としては、近年文献にあるものと、HHM式の性質を利用する独自に考案した方法を用いた。 その結果以下の余次元2の分岐を数値的に見いだした。1)Bogdanov-Takens分岐.2)向き付け不能共鳴homoclnic分岐,3)縮退Hopf分岐。さらに、4)inclination-flip分岐が存在する傍証を得た。これらは全て、2パラメータの標準値の近傍で生じていた。 また、パラメータ平面上のある領域で存在する、通常の膜静止状態に対応する平衡点と共存する脱分極電位の安定平衡点が、筋麻痺の状態に対応すると考えられることもわかってきた。周期性四肢麻痺は、近年の遺伝子上の解析から、筋緊張症とあわせてイオンチャネル疾患と呼ばれる疾病である。今回の結果は、麻痺・緊張という一見正反対の症状が、イオンチャネルの機能異常の結果として自然に理解できることを示していると考えられる。
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