Project/Area Number |
07750089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Materials/Mechanics of materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 豊 東北大学, 工学部, 講師 (10260415)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 応力腐食割れ / 電気化学的ノイズ / 電極インピーダンス / 皮膜破壊 / き裂初生 / 活性溶解 / フラクタル |
Research Abstract |
本研究では、応力腐食割れ(SCC)の初期過程の現象を明らかにし、SCC初生機構を解明することを目的として、SCCの初期損傷過程の計測手法を開発し、それらの方法によりSCC発生過程での金属表面の電気化学的挙動の変化を詳細に調べた。まず、巨視き裂発生以前のSCC初期の現象をその場計測するために、下記の2種類の電気化学的手法を開発した。 (1)インピーダンスモニタリングによるSCC発生の検出 種々の鋭敏化度を持つSUS304ステンレス鋼についてチオ硫酸ナトリウム水溶液中での低ひずみ速度試験を行い、その過程での電極インピーダンスの変化を連続監視した。その結果、SCCが発生する場合にのみ電極インピーダンスが急激に低下すること、また、電極インピーダンスの変化は顕微鏡観察によってき裂が発見され始める以前に現れることを見いだし、SCCの発生を極めて初期の段階で検知できることが示された。 (2)電気化学的ノイズ(短絡電流ノイズ)計測によるSCC発生の検出 種々鋭敏化度を変えたSUS316ステンレス鋼を用いて高温高圧水中でのひずみ速度試験を行った。その過程で、試験片と対極との間に流れる短絡電流を連続モニタリングし、SCCとの対応関係を詳細に調べた結果、スパイク状の変動として観測される電流ノイズが割れの発生・進展と対応することが明らかとなり、割れ発生を極めて初期の段階で検知できることが示された。 これらの電気化学的手法に加え、従来法に比べてより高感度な交流電位差法を開始し、き裂検出能力の向上を図った。これらの成果により、これまで捉えることが容易でなかったSCC初期プロセスにおける金属表面でのローカルな皮膜破壊・再生挙動ならびに皮膜特性の変化をリアルタイムで監視することが可能となった。その結果、皮膜の再生速度と皮膜破壊の局所への集中が割れ発生条件を決める要因となることが推察された。
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