Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
上記研究課題に関して,まず多結晶純鉄の一軸圧縮試験を行い,数mmオーダの自由表面あれ形状を二次元的および三次元的にフラクタル解析した結果次のことが明らかになった. 1.多結晶純鉄の自由表面あれ形状はフラクタル性を有することが確認された. 2.二次元的および三次元的な表面あれ形状の数μm〜数mmの範囲におけるフラクタル次元は,共に圧縮ひずみが増加してもほとんど変化しない. これらの結果から,多結晶金属材料の自由表面あれ形状にフラクタル解析を適用することによって,従来の表面粗さパラメータでは不可能であった表面あれ形状の統計的なスケール依存性の評価が可能になることが確認され,それは圧縮ひずみが増加してもほぼ一定であることが明らかとなった.また,圧縮ひずみがある程度以上大きくなると,約2〜3μm以下のスケールに大きなフラクタル次元を示す形状が発生する現象が見られた.次に本研究の第二段階として,金属材料の種類や結晶粒径,および変形様式の違いが表面あれ形状のフラクタル性に及ぼす影響を明らかにするため,純鉄と炭素鋼(bcc),純アルミニウムと純銅(fcc),純チタン(hcp)の5種類の多結晶金属材料について,単軸圧縮,平面ひずみ圧縮,一軸引張に伴う自由表面あれのフラクタル性を調べている.この実験は現在まだ進行中であるが,変形様式よりも結晶構造が自由表面あれのフラクタル性に影響するような傾向が認められている.さらに,電子顕微鏡画像から微視的な三次元表面あれ形状を構築してフラクタル性を調べるシステムを現在開発中である.
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