Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,広可動範囲の粗動機構と,高精度な微動機構よりなる粗微動機構の特長を生かした最適位置制御系を実現することを目的に,下記のことを行った.なお,購入したデータ出力装置はデータ解析に,ディジタルマルチメータは,機構のモデル化,パラメータ同定に使用した. (1)最適な位置制御方法の評価法 粗微動機構に最適な制御方法を明らかにするために,10mmステップ入力に対する応答波形についてコントローラの設計基準を定め,その条件を満たすコントローラが,ステップ高さの変化等に対してどの程度ロバスト性を示すか検討し,評価することとした. (2)試作機構のモデル化と同定 機構をモデル化し,購入した備品を利用してモデルパラメータを同定した. (3)制御方法の理論的,実験的検討 PID制御法と最適制御法に関し,粗微動機構への有効性を理論的,実験的に検討し,次の知見を得た. (A)PID制御法に関しては,粗動機構用にPI-Dコントローラを,微動機構用にPIコントローラを用い,微動機構用コントローラは,制御対象であるテーブルが微動機構により偏差除去可能となる場合のみ稼働させた.この結果,設計基準を満たす応答波形が得られ,ステップ高さの変化に対し高いロバスト性が示された. (B)最適制御法に関しては,数種類の評価関数の設定,コントローラの構成をシミュレーションを用いて検討したが,設定した設計基準を満たすことができなかった.その主な理由としては,(I)粗動機構のモータ駆動アンプの飽和特性の影響が大きいこと,(II)PID制御法に比べ,最適制御法では飽和特性を加味することが困難であったこと,が挙げられる.今後はこれらの問題を解決する方法を検討する必要がある.
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