実用超潤滑のための研究(摩擦により誘発される振動の制御)
Project/Area Number |
07750174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿保 政義 姫路工業大学, 工学部, 助手 (40231980)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 摩擦振動 / 窒化けい素 / 乾燥摩擦 |
Research Abstract |
(1)摩擦接触部に振動的な荷重を付加した場合の摩擦摩耗の変化を検討している。まず第1部では摩擦に主眼をおき、振動のない一定荷重下のアルミニウムとステンレス鋼の摩擦接触部に、周波数10〜500Hzの正弦波振動荷重を重畳した場合の摩擦の変化形態を測定した。その結果、アルミニウムのような延性の高い材料においては、一定荷重が大きくかつそれに対する振動荷重の振幅が大きいほど、摩擦係数が増加する事を示した。また、この摩擦形態の生じる原因を、ミンドリン理論を修正した新しい解析方法により明らかにした。次に第2部では摩耗を対象にし、ステンレス鋼を相手材として、脆性材料(鋳鉄)と延性材料(アルミニウム)の振動荷重下の摩耗を調査した結果、一定荷重の大きさが大きいほど、また脆性材料の方が振動荷重による摩耗の低減効果は大きいことを示した。この摩耗低減の原因として、摩耗粉の排出機構が振動のある場合とない場合とで異なるためである事を明らかにした。 (2)摩擦に起因して発生する振動現象は、一般的に摩擦振動と呼ばれている。この摩擦振動を定性的に調べるためにボールオンディスク型の高速摺動摩擦試験機を制作した。この装置で窒化けい素の同種材料間で0.5〜8m/s速度の乾燥摩擦試験を行い、高速摺動時に発生する摩擦振動を接触部に作用する力の変化と摩耗量をもとに検討した。この結果摩擦振動時、ディスクの1回転当たりの摩擦力波形を5種類に分類することができ、各々の種類で摩擦力方向の減衰力が有効に作用していることが確認された。また摩擦力に減衰力を付加することによって摺動速度に対する摩擦力の傾向が変化し、減衰力が大きくなるにつれて摩擦力の変動幅が小さくなり、摩擦力の極大点が高速度側へ遷移することがわかった。しかし、摩耗量と摩擦振動との関係は摩擦力ほど大きな変化が現れず、今回の実験から摩耗量の変化を調べるためには水の1万倍以上の粘性抵抗(減衰力)が必要であることがわかった。 この研究成果の一部は3月21日、日本機械学会関西支部第71期定時総会講演会において公表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)