Research Abstract |
混相流での粒子間衝突が粒子運動に与える影響を明らかにするため,次のような研究を計画し実験を行った.位相ドップラ流速計(大学現有設備)による,混相流の乱流諸量測定用の実験装置を設計,制作した.制作した実験装置の測定部は,光散乱理論から求めた最適な受光角度(送光系の光軸に対して20°)で光学系を配置できるように台形とした.実験条件は周囲流体を静止した水とし,この中に粒子を混入した噴流を2m/sで噴出した.このとき,噴流が周囲流体に与える影響を小さくするため,測定部の一辺と噴流用円管のアスペクト比は約40とした.粒子は固体ガラス粒子を用い(公称平均粒径400μm),粒子添加量は体積分率(流体体積に対して混入している全粒子の体積割合)を0.46% (138個/cm^3), 0.17% (53個/cm^3)0.085% (25個/cm^3)の3条件とした.本研究では,位相ドップラ流速計をレーザドップラ流速計モードにして使用し,粒子平均速度,粒子変動速度を測定し,単位時間あたりに測定体積を通過した粒子数から粒子数密度および平均二乗変位を算出した.この歳,新規購入設備の単軸テーブルを組み合わせ,位相精度を向上させた. このような条件で実験を行い,次のような結果を得た. 1 粒子平均流速は,分布形状および値ともに粒子体積分率の影響を受けない. 2 粒子体積分率が大きい条件および大きい位置では変動速度は小さい. 3 粒子数密度分布から,粒子は添加装置たる管内ではサフマン力のため管壁側に多く存在することが示された. 4 平均二乗変位の変化率は,粒子体積分率とともに大きくなる. 上記の結果2, 4については今後継続的に研究し,さらに解析する予定である.
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