ダイレクトシミュレーション法による表面波を伴う凝縮液膜流の解析
Project/Area Number |
07750237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮良 明男 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80219823)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 凝縮 / 液膜流 / ダイレクトシミュレーション / 表面波 / 熱伝達 |
Research Abstract |
鉛直に設置された冷却面上で蒸気が膜状凝縮する場合、液膜の流動様式は下流に向かって層流、波流、乱流へと遷移する。層流域の液膜の流動特性や伝熱特性は、Nusseltの理論によりほぼ正確に説明できる。しかし、波流域や乱流域に関しては、国内外で多くの研究がなされているにもかかわらず、まだ不明な点が多い。 本研究では、ダイレクトシミュレーション法を用いて鉛直平面上を流下する凝縮液膜の流れを解析し、液膜表面に波が発生する場合の流動および熱伝達特性について検討した。なお、本解析では人工的な微小擾乱を与えることなしに安定した表面波が発生した。表面波は膜レイノズル数が120程度になると発生し、最初は振幅が急激に増大するが、下流になると増加の程度が緩やかになる。さらに下流では波の合体が見られる。また、時間平均液膜厚さが層流液膜に対するNusseltの解より薄くなる。温度場に関しては、非定常二次元のエネルギー方程式を同時に解くようにプログラムを改良し、凝縮液膜内の温度場を求めた。それにより、液膜内の瞬間的な温度分布は波の影響で直線的でなくなる結果が得られ、これまでの直線分布の仮定が適当でないことを示した。壁に垂直方向の温度分布は波が通過するときには下に凸の曲線で、壁面での温度勾配が直線分布より大きくなり、通過後は逆に下に凸の曲線になる。また、液膜の薄い部分ではほぼ直線的な分布となる。一方、時間平均液膜厚さから層流液膜を仮定して求めた熱伝達係数と壁面での温度勾配から求めた熱伝達係数との差は小さい。これは、液が常に存在している基底液膜内では、時間平均の温度分布は直線的であり、基底液膜厚さと時間平均液膜厚さの差が小さいことが原因である。これらのことから、凝縮液膜表面に波が発生した場合に熱伝達係数が高くなるのは、平均液膜厚さが薄くなることが大きな要因で、波による液膜内の撹拌効果は小さいことを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)