Research Abstract |
本研究では,人間と力伝達を伴って協調するためのロボットの可変インピーダンス制御を提案し,その有用性を検討した.まず,協調して物体を移動する人間どうしの実験から可変インピーダンス制御の構造とそのパラメータを求め,可変インピーダンス則をロボットに組み込み,人間とロボットの協調実験を行い,その有効性を検証した. 以下に当研究により得られた結果をまとめる. 1.人間の動作計測システムをレーザー変位計及び6軸力センサを用いて作成し,人間どうしが協調物体移動動作を行うときの位置及び力を計測した.これらのデータを受動性の観点から解析し,人間どうしでは,動作開始及び終了時に受動性が大きく,動作中は小さくなっていることがわかった.これより人間に協調するロボットの制御法は従来の一定パラメータのインピーダンス制御法ではなく,パラメータを変化させる可変インピーダンス制御でなければならないことが確認できた. 2.インピーダンスパラメータをどのようなときにどのように変化させればよいか,人間どうしのデータより求めた.その結果,インピーダンスパラメータのうち粘性係数を速度の大きさに反比例するように変化させ,それ以外の慣性,剛性係数を一定にすればよいことがわかった。. 3.以上の特性を産業用ロボットPUMA561に組み込み,人間とロボットの協調実験を行った.その結果,提案した可変インピーダンス制御法を組み込んだロボットに対して,人間は安定性及び即応性ともに従来の一定インピーダンス制御法より良好な協調作業ができることがわかった.
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