Project/Area Number |
07750349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 成泰 名古屋大学, 工学部, 助手 (70217032)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | TEM / 半導体 / イオン研磨法 |
Research Abstract |
従来より透過電子顕微鏡(TEM)用試料作製法として一般に用いられるイオン研磨法は、半導体超格子のような複合材料には最適な薄片化法と考えられるが、試料表面にダメ-ジ層やアモルファス層が残留するという問題点もある。これらの層は、高分解能観察する際にはノイズとなり定量的な構造評価を困難にするため、予め取り除いておくことが必要である。本研究ではそのための方法として水素ラジカル処理を提案し、その効果を調べた。TEM試料としては、(001)GaAs平面観察試料とInGaAsP/(001)GaAsへテロ構造の(001)断面試料を使用した。水素ラジカル処理は、イオン研磨により薄片化したこれらの試料を水素中に置いたタングステンフィラメントを通電加熱することによって生成した水素ラジカル中に30秒から5分程度置くことにより行った。試料の配置としては、イオン研磨した面がフィラメントの方を向く配置(A配置)とそれとは直交する配置(B配置)の両方について調べた。A、B配置ともにラジカル処理によりアモルファスを取り除くあるいは少なくすることはできるが、A配置で短時間行うのがより効果的であった。平面試料では通常のArイオンにより最終研磨した場合には試料の端部約50nmがアモルファス化していたが、水素ラジカル処理により10nm以下になり明瞭な格子像が観察できるようになった。また、断面試料では、Arイオン研磨後の試料の端部約20nmがアモルファス化していた他、高分解能電顕像にはダメ-ジによると考えられる黒い斑点模様が見られ界面の微細な構造の観察を困難にしていたのが、水素ラジカル処理により大幅に改善されることが分かった。
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