Project/Area Number |
07750357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 公則 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80228486)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アモルファス半導体 / 欠陥 / 光吸収 / 光電流 |
Research Abstract |
アモルファスシリコン(a-Si:H)半導体の禁止帯中には、構造欠陥に起因した深い局在準位が分布している。種々の欠陥の評価法のうち、特にサブギャップ域光吸収スペクトルの測定法の一種である、一定光電流法(CPM)はドープ材料/アンドープ材料を問わず適用可能であり、測定が比較的容易に行える、しかも測定結結果を直接欠陥定量に応用できるという多くのメリットのために、現在最もポピュラーな手法の一つとなっている。 ただし、この手法では光電流と励起光強度の比として定義されるCPMスペクトルを吸収係数にスケーリングする際、その絶対値の担う情報は完全に切り捨てられている。本研究ではここに着目し、測定量、光電流/励起光強度に関する物理的洞察とそれに立脚した新しい欠陥物性評価法とての応用を試みた。本研究によって得られた成果を以下にまとめる。 1)低エネルギー域において光電流・励起光強度比は欠陥密度によらない。これは光生成率と再結合率がともに欠陥密度に比例することからの自然な帰結である。ただし、欠陥準位の分布形状またそれによって決まるフェルミ準位の位置には極めて敏感である。 2)フェルミ準位位置の異なる様々なアンドープa-Si:H膜について測定を行った結果、フェルミ準位が熱エネルギー(kT)程度の精度で一致しているグループについては欠陥光吸収の度合いが数倍違っても、光電流・励起光強度比はほとんど変化しない、またフェルミ準位が数kT変化すると光電流・励起光強度比はこれにつれ数桁も変わることが確認された。これらは1)についての実験的検証である。 3)アモルファス半導体における光誘起変化の実態を探るため、光照射前後のアンドープa-Si:H膜について測定を行い、特に、欠陥生成の生じていない光劣化の初期段階でフェルミ準位のシフトにともなう光電流・励起光強度比の大きな変化を見いだした。これは光劣化機構に何らかの形で欠陥準位の構造緩和現象が付随していることを示唆している。
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