Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本年度は、並列組合せスペクトル拡散(以下PC/SSと略す)通信方式のうち,送信する拡散符号の変調にDPSKを適用することで,受信側における搬送波の位相再生を不要にした差動PC/SS方式について以下の検討を行った. (1)データ伝送の高速化を図った方式として,差動多相変調方式を併用したPC/SS方式について検討した.誤り率特性の解析を行った結果,従来の差動多相変調を併用した直接拡散SS方式よりも良好な誤り率特性を示すことがわかった. (2)移動体通信の典型的なモデルとして,周波数選択性レイリーフェージング伝送路を取り上げ,この伝送路における差動PC/SS方式の多元接続性能を解析した.データ伝送速度と占有周波数帯域が同一の場合のDPSK変調を用いた直接拡散SS方式と比べて,良好な誤り率特性が得られることを確認した. (3)前項の結果を元に,移動体通信において性能の改善に有効とされているダイバーシチ技術を用いた場合の性能評価を行った.周波数選択性フェージング伝送路を想定し,受信側で受信信号と拡散符号との相関をとった後の出力を一定の時間間隔をおいたものについて合成する(RAKE受信)とアンテナ等による簡易なダイバーシチを併用し,最大比合成法により出力を合成した場合の性能を評価した.その結果,直接拡散SS方式と比べてさらに誤り率の改善が可能なことがわかった. (4)リ-ド・ソロモン符号を誤り訂正符号として適用し,(2)と同様の場合における多元接続特性について検討した.その結果,同一の情報速度,および周波数帯域の条件で,従来のDPSK変調を用いた直接拡散SS方式に比べてはるかに多元接続時の誤り率特性が改善されることがわかった.
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