Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,不均一分布結合系を利用した広帯域な光分離素子の構成法を確立する事にあった。この研究課題に対して,元来マイクロ波帯で広帯域素子として注目されたTapered Velocity Coupler(TVC)の概念を光波帯域に拡張した光分離素子を考案し,その特性を差分ビーム伝搬法を用いて数値的に詳しく解析した。即ち,コア領域の屈折率が伝送軸に沿って変化する屈折率テ-パ導波路を含む不均一分布結合系で,広帯域な光分配器を構成できる事を示した。また,その基板材料に,一軸異方性結晶のLiNbO_3を想定し,結晶の電気光学効果を利用する事で,電力分配比を外部制御可能な任意比光分配器を形成できる事も明らかにした。しかし,構造の最適化を図らなければ,電力分配比特性に飽和現象が見られ,大きな分配比を得られないため,結合系の構造パラメータや外部電界印加用の電極配置を再検討した。その結果,電極配置を適切に選べば分配比特性を大幅に改善できる事を示した。これらの成果は,口頭発表を行うと共に学術論文誌に投稿し,掲載が決定している。 更に,本素子の実現にあたっては,その諸特性を実験的に検証する必要があると考えられる。その為には作製条件と導波路の構造パラメータの関係を明らかにする必要がある。そこで,イオン交換法でチャネル光導波路からなる平行3線結合型光分配器の試作実験を行い,構造パラメータの推定を試みた。なお,試作実験ではガラス基板に,結合部長の異なる結合型光分配器を同条件で一度に作製し,その出射光特性を系統的に測定した。なお,現段階までの実験結果は口頭発表を行ったが,未だデータ不足のために作製条件と導波路の構造パラメータとの間の詳細な関係を明らかにするには至っていない。今後,測定データを早急に蓄えるとともに,実験環境が整い次第,異方性チャネル光導波路の試作にも着手し,特性測定を行う予定である。
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