Research Abstract |
本研究の目的は、人が多数歩行しているような雑踏のような環境において,自律移動ロボットの自律的な移動に要するナビゲーション手法をこれまでの研究成果を基礎として開発することであった.その際,具体的な移動ロボットの運動拘束を考慮した時空中での経路計画問題を考察し,実際のロボットに搭載することを前提に開発を行なった. まず,移動ロボットの運動拘束を考慮し,時空中での経路計画問題において自律移動ロボットの走行軌跡が直線と円弧の組合せになるようなアルゴリズムを開発した.このアルゴリズムが,雑踏のような環境における移動ロボットのナビゲーションにおいて,有効に働くことをシミュレーションにより確認した. 雑踏において人の動きや移動方向・速度を検出するセンサとして,レーザ光線を用いた三角測量の原理による距離センサを製作した.特にレーザファンビーム(扇状に投光されたレーザ光,床面と平行な平面内に投光する)を超広角に投射する工夫を施し,超広角TVカメラを用いて対象物までの距離測定が可能となるようにした.また,カメラからの隣接フレームの映像を用いることによって,対象物の位置と移動速度を求めるアルゴリズムを開発できた.しかし,処理速度の向上のためには,専用のハードウェアが必要であることがわかった. 以上の知見が得られた段階で,これらを実機に搭載することを試みているが,時空中の経路計画問題のアルゴリズムを実現するソフトウェアが,現有の自律移動ロボットが許容するサイズを越えたため,それを改善する必要が生じて,実機実験までには至らなかった.
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