複雑な形状を持つ物体の数理的モデリングとその同定に関する研究
Project/Area Number |
07750527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Science University of Tokyo、Suwa College |
Principal Investigator |
上條 正義 東京理科大学諏訪短期大学, 生産管理工学科, 助手 (70224665)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フラクタル / フラクタル次元 / 確率的フラクタル変数 / 確率的局所フラクタル変数 / 最尤法 / 異物 / カテゴリー分類 / 同定 |
Research Abstract |
本研究の目的は不規則形状を持つ物体に対してそれらの幾何学的情報を数理的にモデリングし、同定するためのコンピュータアルゴリズム手法の開発であった。複雑な形状を持つ物体の数理モデルとしてフラクタル次元を導入した。フラクタルは形状の複雑さをフラクタル次元によって定量的に記述できる手法である。しかし、従来の一つのフラクタル次元ではカテゴリー分類を行う場合、高い分類精度は得られない。このため、従来のフラクタル次元とハウスドルフ次元より定義されるフラクタル特徴変数を提案し、一つのサンプルから複数の情報を得て、マハラノビス距離によって物体を同定する手法を提案した。この結果、フラクタル次元によってLSIウェーハに付着する異物の形状が数理的に表現できることが確認された。 フラクタル次元を画像解析やカテゴリー分類に利用する場合、フラクタル次元が同じ種類のサンプルであってもサンプルによって値が異なるため、一つの種類の現象や形状を確定値によって表現できない問題があった。これを解決するために確率過程論よりフラクタル次元を確率的に定義し、不規則形状を持つ物体の数理モデルとして確率的フラクタル変数を定義した。さらに、最尤法による異物の同定手法を提案し、実データにより同定実験を行って確率的フラクタル変数の有効性について検証した。カテゴリー分類にフラクタル次元を用いる場合の問題が解決され、フラクタル次元を矛盾なく自然界の不規則形状物体に適用できるようになった。 確率的フラクタル変数はフラクタルの概念に基づいたモデルであるにもかかわらず、異物の自己相似性については考慮に入れていない。これに対して自己相似性が認められる領域を特定し、自己相似性を考慮に入れた物体形状の数理モデルとして確率的局所フラクタル変数を定義した。これにより、同定精度を向上することが可能になった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)