Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
今日冷暖房の使用は生活上不可欠なもので、熱適応障害を持つ脊髄損傷者は、温熱環境改善の要望が高く、今後熱的弱者を対象とした冷暖房機器の開発が重要である。頸髄損傷者は血管調節障害・発汗障害などにより十分に放熱が行われず、身体内部に熱がこもってしまいうつ熱といわれる状態を呈することがある。 「冷房している部屋」と「冷房を必要と思う部屋」というアンケート調査(複数回答可)を実施した。「冷房している部屋」については、居室36.00%,寝室41.27%,台所11.09%,トイレ5.27%,浴室1.82%,その他4.55%,「冷房を必要と思う部屋」については、居室14.75%,寝室13.82%、トイレ29.49%,浴室11.52%,その他3.69%という結果を得た。そこで今回は特にトイレに着目して、脊髄損傷者(完全まひ)宅で健常者と在宅実験を試みた。 自室とトイレの室内環境温48時間連続測定(センサー設置箇所は測定装置の床上10,60,120,160cmと天井から10cm下とグローブ温度を2分間隔で)を行った。同時に6時間測定で皮膚温(前額,上腕,手背,胴,大腿,下腿,足背の7点を2分間隔で)と深部体温(10分間隔で)変化の測定を、また温冷感,快適感,気流感申告を30分間隔で行った。 室内環境温については、冷房している家の自室は2〜4℃、冷房していない家のそれは2〜4℃の上下分布があった。冷房している家のトイレでは3〜4℃、していない家のそれは7〜8℃の上下分布があった。皮膚温は、風呂・トイレ移動に伴う上昇が見られた。温冷感申告では頸髄損傷被験者全員が日中の気温上昇にに伴い「暑い」と申告したが、うつ熱、発汗障害の傾向は強く見られなかった。 冬季のトイレでの長時間下半身裸体や入浴前の全裸は、急激に皮膚温を下がる危険性が生じるので、暖房を用いて同じ測定条件での実験が次回の課題である。
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