Project/Area Number |
07750702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
高岡 えり子 京都女子大学短期大学部, 講師 (70226736)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 中国 / 四川省 / 揚子江上流域 / 住居 / 集落 / 建築 / 漢族 / チャン族 |
Research Abstract |
分析対象地域は、(1)金沙江と岷江が合流し揚子江となる地点のイ-ピン地区、(2)岷江の上流にあたる成都郊外のビ県地区、(3)岷江のさらに上流にあたるアパ州ウェンチャン地区である。紙面の都合上、ここでは住居平面と集落の構成形態に限り、明らかになったことを以下に簡単にまとめる。 (1)イ-ピン地区の漢族の住居は、版築構法で平面は一文字の四列型をとる。下流域^注等一般の漢族の住居は三列型をとるが、この地区の場合、三列型に家畜室が付加する形式である。特に注目すべき点は、他室(例えば寝室)を経由して家畜室へアクセスという平面をとる場合が目立つことである。このような特徴は、世界的に、牧畜系民族の住居に優越して見られるが、近隣の牧畜系少数民族の住居はこの形態をとらない。 (2)ビ県地区の漢族の住居は木軸構法であり、平面はL字の三列型をとる。下流域の漢族の住居では三列の真ん中の部屋からアクセスするが、この地域ではL字の角にあたる台所・食事室から住居へ入る。この地より南方に居住する少数民族の多くが、火にかかわる部屋(例えばイロリの部屋)からアクセスすることを考えると、このアクセス方式はそれらの少数民族の影響による可能性もある。 (3)ウェンチャン地区には漢族の農村はめったになく、遊牧系少数民族のチャン族が居住する。チャン族の住居は石造り(組積造)で、平面は三列型で左右対称、天井[テンチン]のような空間もある。つまり漢族がいない地域にも関わらず、四川省の他の地域の漢族よりも、この地域のチャン族の方が一般的とされる漢族の住居に近い平面をもっており、この平面形態はかなり古くからのもの(少なくとも二千年位前)と考えられる。 (4)集落形態については、ウェンチャン地区が集村であるのに対し、イ-ピン地区・ビ県地区では散村である。一般的に漢族の集落は集村である。散村集落をとる地域の散らばり傾向から、南方のワ族・イ族等の牧畜系少数民族の影響である可能性が高い。
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